「農地所有適格法人を作る理由.jp」では、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の新規参入・設立のメリット、資金調達、補助金・助成金の申請、法人化した後の相続・譲渡、節税など、農業ビジネスの仕組みをわかりやすく解説しています。

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)設立コンサルティング | 日本中央税理士法人 Tel. 03-3539-3047 担当:青木

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補助金・助成金を申請する

使える制度を見つけたら、すべて申し込むこと

農業をやるならば、補助金や助成金は、漏れなくダブりなく、確実に申請しなくてはいけません。

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の全国の平均の売上高は、約2億8000万円、平均の常勤社員(パートタイマーも含める)が19.2人となっています。

製造業と比べると、圧倒的に少ない売上高と社員数になります。

あなたは、
「農業と、製造業を比べたら、そりゃ、違うに決まっているよ」
と言うかもしれませんが、私が顧問をやらせて頂いている農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の農地にたどり着くまでに、同じ町内には、大きな工場も点在しています。
農業であれば、1反当たりの売上高は、農作物の種類にもよりますが、価格の高い野菜で、1年間で約200万円として、経費を差し引くと、利益は130万円程度です。
(水稲の場合は、1反当たりの平均売上が、これよりもかなり低くなります)

では、その農地をつぶして、工場を建てたら、どうなるのでしょうか?
こちらも、製造する商品によりますが、機械製品であれば、1反当たりの売上高は約1億円、製造原価だけではなく、運送費などの経費、販売する広告宣伝費などの経費を差し引くと、利益は300万円程度になります。
農業に比べると、売上は50倍、利益が2.5倍にもなるのです。
その町内には、工場だけではなく、幹線道路沿いにはコンビニもあります。
コンビニは、1反当たりの売上高は約2億円、経費を差し引いて、利益は300万円程度になります。(コンビニの売り場面積には、駐車場も含まれます)
やはり、農作物を作った場合に比べて、利益は2.5倍になっています。

工場それでは、この町内の農地をすべてつぶして、工場やコンビニをドンドン作った方が、市区町村の税収も上がり、その地域の生活は良くなるのでしょうか?
私は、そうは思いません。
石油などが出ない日本では、加工貿易で世界と競争するしかないので、工場は必要な施設です。
ただ、世界の激しい競争にさらされているため、景気(為替変動)や新しい技術により産業構造が変わると、すごく左右されてしまうのです。
100年後も、同じ場所で、同じ商品を作るための工場が稼働しているか分かりません。
いや、きっと同じ商品を作っていることはないでしょう。
実際に、その町内の工場のいくつかは、すでに休止していて、再開のメドは立っていません。

ところが、農業は違います。
100年後も日本人が住んでいる限り、国内の農作物を食べているはずです。

「すべての農作物を海外から輸入すれば、十分だ」と考えている日本人は1人もいないのです。

それどころか、「もっと、国内の食料自給率を増やして欲しい」と思っている人の方が多いのです。
スーパーやコンビニにとっても、国内の農作物の方が、棚持ちもよく、価格も外国産に比べて高く設定できるので、もっとたくさん売りたいと考えているのです。
だから、みんなで、もっと農業を盛り上げていく必要があるのです。
とすれば、日本で補助金や助成金をドンドン出して、農業を保護するのは当然です。

その補助金や助成金について、一方的に批判する人もいますが、ヨーロッパや日本以外のアジア諸国を見てください。
日本よりも農業という産業を保護していて、食料自給率を上げるどころか、農作物を輸出することを国家戦略にしているのです。
ヨーロッパのある国では、農業者が投資する生産設備の代金の90%を補助金として出しています。

また、アジアのある国では、一定の農作物に絞って、それを生産する農業者には100%の補助金を出しているのです。
実際に、その農作物は日本に輸入されて、スーパーマーケットでの占有率はなんと50%超にもなっています。
これはそのアジアの国が、ターゲットを日本に設定することで、高い価格で農作物が売れると睨んだ戦略が当たったのです。
だから、私としては、日本の政府も、もっと農業者に対する補助金や助成金を増やして、儲かる事業戦略が作れるようにして欲しいと考えています。
農業はどうしても、収穫量が増えるまでに時間がかかるので、すぐに結果がでるわけではありません。
それでも今、予算を振り分けないと、5年後、10年後の農業は活性化できません。
農作物が輸出できて、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が儲かると分かれば、若い人たちも農業に参加したいと興味を持つはずです。
それによって、地方の休耕地も復活すれば、さらに国内の農作物の収穫量が増えて、食料自給率も上がることになります。

とにかく、世界の競合の農業者に勝つためにも、最低でも、現時点で使える補助金や助成金があれば、あなたは漏れなく探して、申請しましょう。

意外と、知られていない補助金や助成金があったり、期間限定のものもあります。
期間限定のものも、毎年、同じ時期に募集されるものから、1回きりで終わるものもあります。
当社では、補助金や助成金の申請手続きのコンサルティングも行っておりますので、自分ではすべて探せそうにないという農業者の方は、今すぐ、当社まで、お問い合わせください。

農林水産省の補助金の一例

平成26年時点農業開始の準備農地所有適格法人(旧:農業生産法人)への支援農業の安定化
法人への就職支援農業者として独立
給料の確保 青年就農給付金
(年間150万円を最長2年間給付)
農地所有適格法人(旧:農業生産法人)を支援
① 就職した青年の研修費として、年間最大120万円を2年間補助
② 雇用した新規の就農者が新しく農地所有適格法人(旧:農業生産法人)を作るための研修費として、年間最大120万円を4年間補助
技術力のアップ 農地所有適格法人(旧:農業生産法人)などの経営者を育成する
機械・施設の導入 青年等就農資金の無利子貸付 日本政策金融公庫
(スーパーL資金)
経営体育成支援事業
農地の確保 就農のための事前準備を支援 農地バンクによる支援

上記以外にも、毎年2回程度、定期的に募集している補助金として、中小企業庁の「ものづくり中小企業支援」などがあります。
経済通産省、市区町村の除籍金や補助金も、チェックしましょう。
すべて自分から申請しないと、基本的にはもらうことができません。

当社では、申請できる補助金や助成金の情報を提供するだけではなく、その資料作成のお手伝いもさせて頂いております。あなたが、「資料を申請期限までに、どうしても間に合わせて、完成させたい」と考えたら、今すぐ、当社まで、お問い合わせください。

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事例から学ぼう

鈴木さんは、すでに農地所有適格法人(旧:農業生産法人)として10年間も農作物を作ってきました。
ただ今までは、冷蔵倉庫がなく、スーパーに卸しても、返品されたりするなど、売る機会を逃したこともありました。
そこで、冷蔵倉庫を建てて、そこで管理を行い、上手にスーパーに配送することで利益をアップさせる計画を建てたのです。
今までの実績もあり、農作物を出荷できるスーパーも決まっていたこと、さらに他の農地所有適格法人(旧:農業生産法人)からの農作物も一緒に管理することで、利益も増える見通しが立ち、銀行からは1億円も融資してもらうことができました。
2%の金利と10年間の返済期限の条件で、鈴木さんは十分、納得して借りたのです。

それから5年が経ちましたが、現在まで、悪天候の影響があり、売上と利益が、当社の計画に比べて、少し下方修正となりました。
何とか、返済できている状況ですが、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の資金繰りはそれほど楽ではありません。

ところが、ある日、友人の山田さんと会う機会があったのですが、彼も農作物の種類は違ったのですが、ちょうど同じ頃に、冷蔵倉庫を建てたと言うのです。
よく話を聞いてみると、今までの5年間、金利を支払ったことがないと言うのです。
実は、借入金の利子を補給してくれる制度に申し込んだら、すんなり受理されたことが分かりました。
鈴木さんは、もし同じ時期に、この制度に申し込んでいたら、現時点までで、700万円もの資金繰りが改善できていたと、気づきました。
もちろん、自分の農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が申し込んでも、認められたかは分かりません。
ただ、時はすでに遅く、申請すらできなかったことに、鈴木さんは悔しい思いだけが残りました。

このように、農業に関する補助金や助成金について、あなたが知らなければ、検討することすらできません。
できるだけ、アンテナを張り巡らせ、新しい情報があれば、メールでも、FAXでも、何でもよいので、受け入れていきましょう。
そのためには、無駄だと思うような情報でも、無料なら受け取っておくのです。
その上で、自分に必要がない情報は、捨てればよいだけなのです。